高橋しょっつる屋について

明治40年創業、県内随一の老舗のしょっつる製造元。秋田県の食文化を繋げています「しょっつる」は、石川県のいしる、香川県のいかなご醤油とともに、日本三大魚醤(ぎょしょう)の一つとして知られている、歴史ある調味料です。

伝統的な製法で作られる弊社の「しょっつる」は、塩漬けした魚を2年以上も熟成させ、大釜で丁寧に煮てから濾過します。秋田県の魚醤として認められている「しょっつる」として、受け継がれてきた知恵と伝統製法を守り続けています。製造には東北近海のイワシ、アジ、イサザアミなどの魚が使われます。

「しょっつる」の主な成分は、魚介類のタンパク質が分解したアミノ酸やペプチドであり、濃厚なうま味と独特の風味がウリです。火を通すと香りが消え、旨味が残り、塩辛さは甘さとコクに変わり、料理に深みと厚みが加わります。その独特のうま味は、一度味わえばやみつきになることでしょう。

「しょっつる」はいろいろな料理に使える調味料であり、和食や鍋物はもちろん、洋食、中華料理など、幅広い料理に合わせることができます。一般顧客だけでなく、料理人やシェフたちからも愛される逸品です。

「しょっつる」は多用途な調味料

「しょっつる」は多用途な調味料として活用できます。秋田名物の「しょっつる貝焼き(かやき)」をはじめ、スープ、焼き物、炒め物など様々な料理においしさを加えることができます。特有の旨味と風味は、和食、洋食、中華料理など、あらゆる料理を引き立たせます。

ご家庭の食卓からプロの料理人の台所まで、ぜひ「しょっつる」を使って新たな味わいを楽しんでください。

秋田名物しょっつるかやき

ハタハタと野菜をしょっつるを垂らした汁で煮 る「しょっつる貝焼き(かやき)」は秋田の代表的な郷土料 理のひとつ。土鍋の代わりにホタテ貝の貝殻を使 うと「しょっつる貝焼き(かやき)」となります。ハタハタ を別のお魚(タラ等の白身魚)に替えても美味し い「しょっつる貝焼き(かやき)」が出来上がります。

アイデアや発想次第で、和洋中、様々なお料理にもお使いいただけます

しょっつる貝焼き(かやき)をしょっつるスープに! しょっつる貝焼き(かやき)の魚に代え鶏肉やエビ、ホタテなど を入れるとしょっつるスープになります。

いかのしょっつる焼きは手軽にできる一品 いかを食べやすい大きさに切ります。フライパンを熱 し、バターを入れいかを炒めます。しょっつるを少々加え胡椒で味を調えます 。 ※お好みでアスパラやピーマンなどを加えてもいいです。 焼きそばやパスタの麺を加えると、主食になります。

鶏肉と長ネギの炒め物 一口大に切った鶏肉におろし生姜、「しょっつる」とお酒(1:1程度)に 30 分~1時間程度漬け込みます。(漬け込み過ぎると塩辛くなるので要調節) 長 ネギを3cm 大に切り、鶏肉と一緒に炒めます。 ※「しょっつる」は鶏肉との相性がとても良いので、唐揚げの下味として漬け 込んでもよいです。

隠し味として料理を大きく引き立てる“隠しきれない隠し味” 塩や醤油味のスープ、トマトなどの野菜スープ、うどん、パスタ、ラーメン、 チ ャーハン、野菜炒め、お吸い物、和え物等の料理の隠し味として使うことも でき るのでお 試しください。

製造工程

仕込み

製造工程は、新鮮な魚介類(イワシ、アジ、イサザアミ)に30%の食塩をまぶして仕込みます。一年に2~3回の魚の仕入れがあり、トラックからの荷下ろしや選別、氷の除去、運搬、塩の計測、まぶし作業は手作業で行います。親戚や近所の方々、知り合いの方々が手伝ってくださることもあります。

熟成

熟成では、塩漬けした原料を2年以上も常温で漬け込みます。自己消化酵素によって原料の魚は溶けて液状になっていきます。その後、「大釜」と呼ばれる伝統的な容器に入れて火入れと「あく」取りの作業が行われ、美味しい「しょっつる」の完成に近づけるための工程が行われます。火力には主に薪が使用され、昔ながらの製法を受け継いでいます。

火入れと「あく」取り

髙橋しょっつる屋の伝統の「大釜」に2年以上の熟成期間を経た原料を入れて 、塩分調整のための塩を加えながら約1時間かけて90℃まで上げ、原料からの 旨味をじっくりと抽出する作業を行います。火力は主に薪を使っており、手間を 惜しまず昔ながらの製法を行っています。雑味の原因となる“あく”と油をこま めに取り除き美味しい「しょっつる」に近づけます。

濾過とおりさげ

次に濾過とおりさげの段階に入ります。釜で煮た後、通し桶を使って濾過が行われます。ここで珪藻土が加えられ、撹拌作業を2回行います。そして、そのあと、数日このまま保持する「おりさげ」のプロセスが行われます。この段階で、魚の成分で溶けきれなかったものが珪藻土に吸着され、美しい飴色の「しょっつる」が完成します。

最終火入れ、精密濾過からの出荷

最後の工程は最終火入れと精密濾過です。おりさげ期間を経た「しょっつる」を再度90℃まで加熱して殺菌します。その後、精密な濾過が行われ、瓶詰め作業を経て出荷され、皆さんの元へ届けられます。